2022年3月27日日曜日

徒然じゃない日々(10)

梅に雪

久々に大きな地震が来たかと思ったら、雪が降り、さっさと融けたと思ったら、花粉が大発散。

まぁ、花粉は毎年のことなのでじっと耐えるのみですが、目まぐるしく動く世界の情勢に、もう何が何やら……頭の処理が追いつかない日々でございます。

農業の現場にも、様々な影響が出てきています。自身のところでも、資材の入りに遅れが出てきました。今までこんなことはありませんでしたからね。各所、相当大変なことになっているのでしょうね。

生産コストの増加、販売単価の低下、等々……難しい課題に溢れていますが、急激な変化への適応は、小資本の強みでもあります。しぶとく、粘り強く、生き抜いていきたいと思うところです。


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最近読んだ本をちょこっとご紹介。


社会課題解決のためのビジネスモデルを作るというのがいいなと。私も、里山的空間の形成・維持に資する農業経営モデルを作る、というテーマを持っています。これまで、全然、1ミリもテーマに対して進めている感がありませんでしたが、本書に出てくる、段階を踏んだ「6つのチャレンジ」が非常に参考になりました。

前段で書いた通り、昨今の状況もあります。農業のやり方を含め、今一度、いろいろと考え直すには良い機会かもしれません。


コケモモと雪
コケモモ、久しぶりの雪に楽しそうでした。


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2022年3月17日木曜日

原木椎茸の収穫日予測システムを作ってみる

さわでは、冬場の日照時間に恵まれたいわきの地の利を活かし、原木椎茸を施設で加温せずに栽培しています。

無加温でゆっくりじっくり育てることで、肉厚で引きしまった椎茸になります。また、暖房等の燃料費がかからないという大きなメリットもあります。

一方で、施設内の温度は天候に影響されるため、どうしても収穫のタイミングが読みづらくなります。そのため、ホダ木の管理や販売面で収量のブレを吸収できるだけのフレキシブルさが不可欠となります。

しかし、あれこれと原木椎茸栽培の自作スマート化を進めてきたところ、予期せず、収穫日予測が可能そうだなと。







この辺の投稿ですね。

組み合わせて、ごにょにょーっと。


こんな感じになりました。

アルゴリズムはシンプルで、測定値と最寄りの観測所の気象データから過去〜今後の2週間までのビニールハウス内の平均温度を算出、そこから予測収穫日を導いています。


改良の余地はまだまだありそうですが、今シーズンの残り2か月程度、ひとまず使ってみながら、精度の検証をしていきたいと思います。



ひとつのデータから、本当にいろいろと広がりますね。

経営規模の小さな農家にとってこそ、ICT活用は大きなポテンシャルを秘めていると、私は思っています。

コツコツやっていきましょう。


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2022年3月11日金曜日

【定期】家計の見直し(2022年3月)

定期的な家計の見直しです。

家族農業において、家計の最少化は心強い生存基盤となります。

さらに、定期的な見直しを行うことで、自身や家族にとって本当に価値があるものが何なのか、改めて確認することができるのではないかと思います。


・低圧電力(動力)のブレーカー

暖かくなってきたのそろそろ保冷庫の保冷を再開します。

低圧電力の場合、まったく電気を使用しないと基本料金が半額なるので、冬場はブレーカーごと落としています。

これ、当然の知識なのか分からないのですが私はけっこう最近まで知らずにおりました……。


・クレジットカードの整理

新たに2枚作成、用途のなくなった2枚を解約しました。

基本的に用途のないカードは残さないようにしているのですが、趣味のポイ活やら何やらに必須なものもあり、手持ちは7枚になっています。

クレジットカードを含めてキャッシュレス決済まわりは変遷が激しいですね。やる気の尽きないうちは頑張ってついていきたいところです。

そういえば、個人事業主になるとクレジットカードを作れなくなるという話をよく聞きます。なので、いつもドキドキしながら申し込むのですが、今までのところ特に作れなかったことありません。まぁ、年会費無料(実質無料含む)のカードだし、他の属性との兼ね合いなのですかね?ゴールドは年会費無料化可能なエポスカードと三井住友カードNLのみです。

エポスカードは今度カード会員向けの社債を利率1%で発行するそうですね。中身としては社会貢献的なものみたいで、おもしろいなぁと。


・原油とか小麦とかいろいろ高、円安

コロナ禍も落ち着かないうちに、また不安な出来事が起こってしまいました。

ニュースも見たくないというのが正直な心持ちですが、友人もおりとても心配しています。ごく僅かながら寄付だけ……。

日本への、というか世界への影響もいろいろ出ていますね。原油や小麦等の高騰、円安はずるずる進行。因果関係等々、詳しいことはよく分かりませんが、とりあえず、直近は生活と海外旅行にマイナスの影響という認識です。まぁ、どちらにせよまだ海外旅行なんて気軽にできませんけども……。ガソリンは新しく作ったau PAY カードの新規入会&利用特典でしばらく乗り切ろうかと。


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悲観的になればいくらでも悲観的になれてしまうような昨今ではありますが、こういう時こそ、心にゆとりを持ち、丁寧に日常生活を送りたいと思うところです。小国寡民。


梅の開花

震災からは11年になります。安穏とした世の中になりますように。


・関連投稿

【定期】家計の見直し(2021年8月)


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2022年3月7日月曜日

観測所の気象データからビニールハウス内の温度を推定する。

さわでは原木椎茸をビニールハウスでの施設栽培をしていますが、暖房等による加温はしていません。そのため、天候の影響を直接的に受けます。

そこで、気象庁より提供されている観測所の気象データを元に、ビニールハウス内の温度の推定を試みてみました。

これができますと、例えば、予報データから収穫予測モデルなんかも作れそうです。


今回の分析にあたり、ビニールハウス内のデータはRaspberry Pi製ロガーで15分毎に取得(温湿度センサーモジュールはDHT22を使用)。観測所のデータは気象庁の過去データを利用しました。期間は、2021年10月2日〜2022年2月22日の約4か月半です。


まずは、15分毎のデータを1時間平均に変換してビニールハウスと観測所(小名浜)の温度差を確認します。


ビニールハウス内の温度が高くなるにつれて観測所との温度差がばらけていますね。

1時間平均でこれだけばらけていますので、ある瞬間における観測所の気温(10分毎のアメダスのデータ等)からビニールハウス内の温度を推定するのは難しそうです。


ビニールハウスなので、ばらけている原因としては日射量の影響が大きそうと想像できます。

ただ、1時間平均ですと前の時間から積算での影響がありそうなので何らかの処理が必要そう……なものの、どうすればいいのか分からないので、その辺の影響を無視できるように1時間平均から1日平均に変換。その上で日照時間と温度差の関係を見てみます。(小名浜には日射量のデータがないので日照時間を使用)


予想外にばらけていますね。1日平均であれば日照時間の影響はひとまず考えなくて良さそうです。


という前段階を経て、1日平均の観測所の気温とビニールハウス内の温度の関係を見てみます。

ちなみにこれは(当然のことながら)、観測所と栽培地の位置関係や、気温の上昇・降下に対する人為的なビニールハウスの温度管理(窓や遮光シートの開閉等)といった諸々の影響を全て含んだ数値になっています。


……予想外にきれいに並んでいます。


「観測所の気温(1日平均)」を説明変数、「ビニールハウス内の温度(1日平均)」を被説明変数として「XLMiner Analysis ToolPak」で単回帰分析を行った結果が以下。


補正R²が0.9以上、P値も0ですので、「観測所の気温(1日平均)」で「ビニールハウス内の温度(1日平均)」を説明できていると考えて問題なさそうです。


観測所の気温(1日平均) = x とした場合、ビニールハウス内の温度(1日平均) = 0.741*x + 7.85

という回帰式が得られました。


観測所の気温(1日平均)が5℃なら、ビニールハウス内の温度(1日平均)は11.6℃
観測所の気温(1日平均)が10℃なら、ビニールハウス内の温度(1日平均)は15.3℃
観測所の気温(1日平均)が20℃なら、ビニールハウス内の温度(1日平均)は22.7℃

ということになります。体感には近い気がします。


***

当初の想定としては、気温だけでなく日照時間や湿度、風速あたりの複数の説明変数が必要になるのではないかと思っていたのですが、案外気温のみのシンプルな回帰式になりました。

これが実務において活用できるものなのか、今後検証していきたいと思います。


(雰囲気でやっていますので、いろいろ間違えているかもしれません。ご了承ください。)


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