2022年4月8日金曜日

守りの農業経営 〜撤退ラインを決めておく〜

農業を取り巻く情勢が厳しさを増しています。

こうした困難な状況にどう向き合い舵を取るのか。敢えて攻めるのか、それとも守るのか。考えや性格が出るところですね。

私は、常に守りの一手ですので、ブレずに守りを固めていきます。

最近、改めて守りの農業経営において重要そうだなと思っているのが、「あらかじめ撤退ラインを決めておく」ことです。

撤退と言うと、一見継続とは真逆の方向性に思えます。しかし、撤退ラインを明確にしておくことがむしろ生存可能性を高め、継続につながるのではなかろうかと思うのです。

そして、万が一の事態になったとしても、良い形で撤退ができれば、また新たな形での再スタートを切りやすくなります。


家族のみで営農しているさわでは、「運転資金に借り入れが必要になった時」を撤退ラインと決めています。

撤退時に負債を残さないためですね。就農時に決めました。

規模の小さな経営ですので、運転資金が自己資金で賄えない状況というのはジリ貧です。続けたところで一発逆転はまずあり得ません。

であればギリギリまで粘らず主体的に撤退することで、撤退後の状況を少しでも良くすることを考えた方がいいように思います。

また、この撤退ラインを常日頃から意識することで、やるべきこと、やってもいいこと、やってはいけないことの判断がしやすくなります。

兼業化の検討や、規模縮小のシミュレーション(適正規模への調整)は、まさにやるべきことですね。

「このままじゃ、まずい」と思った時にはもうまずいレールの上に乗ってしまっているわけで、準備は何事も調子の良い時にこそです。


ちなみに、法人化していたり、ある程度の大規模に経営をされている場合は、撤退の難易度もだいぶ変わってくるかと思います。

仮に撤退ラインや手順を作るとして、どういったものがあり得るのでしょうか。興味本位ですが気になります。


春の庭


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